2014年 11月 21日

11月21日

11月21日

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世津子様

こちらへお里帰りもう三日目ですね。いくぶん落ち着きましたか。ジェットラグもさることながらいろんなことが目白押しでさぞや忙しいことでしょう。無理はしないでくださいね。
さて、かくいう私も、バッテリーがあがりそうです。ちょっと無理して走っています。それなので今世津子さんに言ったこと『無理しないでね』を、私のまわりの人たちも言ってくれます。
でも、自分で言っておきながら矛盾するのですが、生きるって、どこかでどうしても無理をすることなのかなと思います。無理をしないと成し遂げられないことばかりだし、誰かに無理を通されることもあるし、なんだか毎日無理の中でもみくちゃになっているような感じです。
でも、もみくちゃの中でもふとほっとするひとときを持ったり、はっとする光に出会ったりすると、前を真っ直ぐ見て進む元気が湧いて来ます。明日はまた佐鳴湖を歩いてみようと思います。

近くお目にかかれますこと、とても楽しみにしております。

二千十四年十一月二十一日       久子

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久子様

お返事遅れて申し訳ありませんでした。
無理はしていませんが、なかなかマイペース取り戻せず静岡へ向かう日が近づいています。
私も先日、陽の光を写真に収めていましたが、今日は話変わって唐突かもしれませんが、群馬県である幕を発見しました。
「憲法九条を守ろう」と大きく書かれていました。

私も同じ意見を持つ者として、標語を写真におさめました。

前をまっすぐ見て歩きたいものです。

お目にかかれること、楽しみにしています。

二千十四年十一月二十五日 世津子


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# by artniwashi | 2014-11-21 19:38 | 往復書簡
2014年 11月 17日

11月16日


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久子様

明日ドイツを発って日本に向かいます。
荷造りをやっと完了し、これから夕飯を食べ、ドイツのテレビをちょっと見て(エドアルド・ムンクについてのドキュメント映画を観たいのです)、そして夜中になるときっと、何か忘れているのではないかと不安になったり、あれをもっていったらどうだろうと思いついたりするのでしょう。
すでにオンラインチェックインも済み、ボーディングカードをIpodに落として準備万端。(多分)
日本で会えるのを楽しみしています。
ああ、なぜキノコが出てきたかって?
森の中に山ほどあらわれたキノコは多分それぞれに繋がっていて、それぞれが胞子を噴射して繁殖しようとしています。
私達の制作力も美しいキノコたちの生命力にあやかり、進んでゆくことを祈って選んだ今日の一枚でした。


二千十四年十一月十六日  世津子

世津子様

無事のフライト何よりでした。
『おかえりなさい』と言っていいのかとても迷いましたが、ほかに適当なことばがありませんでした。
日本には『帰る』のか『来る』のか、ドイツには『行く』のか『帰るのか』、、どちらでもありどちらでもないあなたの立ち位置を本当には共感できていないもかもしれませんが、あなたはあなたですとしか言えない私です。

さて美しいキノコをありがとう。
世津子さんの言うようにそのキノコのように美しくかつ生命力あふれるわたしたちの制作にしてゆきたいですね。
お返事にカマキリ君をお届けします。
このカマキリ君には清水の由比北小学校の運動場で会いました。
カマキリって人間みたいな昆虫だと思いませんか?
私は、私たちの制作力をこのカマキリ君の面構えにあやかってみました。進んでゆきましょう。

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]二千十四年十一月二十一日   久子





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# by artniwashi | 2014-11-17 04:48 | 往復書簡
2014年 11月 14日

11.13.2014

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久子様

先日、クレフェルドで私は子供たちの描いた絵を選抜する役目を果たして来ました。
4歳から6歳までの子供たちの絵です。
周りの大人たちが手を入れたらしい痕跡があるもの、既存の型紙を使った絵などもありましたが、絵を切り抜いてコラージュした作品など中々楽しく素晴らしく、私たちは大いに悩みました。
彼らの視点や今見えているものがどのように変化してゆくのだろうか?
いつまでも柔軟でおおらかな表現が出来る事が出来たら良いだろうなあ、と思います。
二千十四年十月十三日  世津子


世津子様

子どもの絵を選ぶお役目、楽しくもむずかしかったことでしょう。
私も毎夏、ある生保会社主催の子ども絵画コンクールの審査をさせていただいているのですが、いつもものすごく楽しいけれど同時におそろしくむずかしいと思います。この絵がいいと選ぶ自分はもうとうの昔に大人になってしまっていて作品を引いてみている時点でもう子どもたちと共感できていないだろうと思います。子どもたちの作品は彼らの短い子ども時代のある日ある時の一瞬に生まれた宝石のようなもので、もう一回と望んでもけして再現できないものなのだろうと思います。ただ、その宝石を色あせさせることなく持ち続けている大人とそうでない大人はいるように思います。前者でありたいのだけれど。

二千十四年十一月十六日   久子

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# by artniwashi | 2014-11-14 18:52 | 往復書簡
2014年 11月 08日

十一月八日

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久子様

今朝、郵便受けを覗くBILD ZEITUNG(ビルト新聞)の無料号外版がはいっていました。
BILD ZEITUNGという新聞は日本で言うならば東スポ的存在で、とんでもない話題も多いのですが、昔からここの記者達は小回りがきくのか、特ダネを握ることも度々あるのが面白い新聞社です。今日の号外はベルリンの壁が崩れ落ちて25年の特集でした。(べるりんの壁崩壊は11月九日)
壁が崩れた緊急ニュースをTV見た時の驚きはまだ覚えています。壁は崩れ落ちても見えない壁は長い事あった様に見えました。
実は壁は色々な形で至る所に立っています。見えない壁は余計に始末が悪いと言うことでしょうか。

ベルリンの壁のかけらが探せば何処かにあるはずですが、しまい込んですっかり忘れていました。探してみよう。思い出の品というのはこうして近づいたり遠のいたりするのですね。
今日は美しい秋日です。
二千十四年十一月八日 世津子

世津子様

ベルリンの壁の崩壊から四半世紀というニュース、こちらでもやっておりました。あれから25年。日本に住む私ですら感慨深いです。
それにしても『壁』というものは、比喩として、あるいは何かの記号として使われることが多い単語なのでしょうね。
たとえば『壁に突き当たる』などもそうだし、世津子さんの言う『見えない壁』も。
たとえ比喩としての『見えない壁』がまだあるとしても、実物の壁がないことは大きなことでしょうね、きっと。

話は飛びますが、壁と言えば、こちらでは最近『壁ドン』という現象が流行っています。壁を背にした女性に男性がドンと手をついて告白する的なシチュエイションに多くの女性が憧れているそうです。そんな振る舞いが出来てしまう男性ってどうなの?と私などは思いますが、世津子さんはどうですか?この現象を茶化して『壁丼』でも考案してみようかしら。どんなお料理になるだろう。

壁のカケラ、出て来たら是非見せてくださいね。

二千十四年十一月十六日   久子


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# by artniwashi | 2014-11-08 22:03 | 往復書簡
2014年 11月 02日

11月1日

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世津子様

こんにちは。今日は少し重いお話になってしまうかもしれません。
ワークショップの見学でいわき市を訪れました。津波被害のあった小学校です。
現地を訪れることでしか実感出来ない真実があることを3年以上経った今もまだあるのだと思い知りました。
ふたつの小学校でのWS見学の後、ごく最近通行が許可された国道六号線をレンタカーで北上してみました。いわきから相馬市仙台市へと続く海沿いの幹線道路です。途中に福島第一原発があり、富岡町双葉町などの帰還困難区域があります。何を根拠に六号線の通行許可となったかはわかりませんが、恐ろしい風景を見て来ました。人の誰も住まなくなった町、国道からの脇道は全て封鎖され、国道沿いのお店というお店、家という家の全てが入ることが出来ないように封鎖され、随所に防護服姿の人とパトカーが止まっている。窓は絶対に開けてはダメと言われ車を止めて外に出ることは勿論路肩に停車して車窓からの撮影もすることができなかった恐ろしい緊張感でした。
でも、もっと恐ろしいと思ったことは、その帰還困難区域から車でわずか一時間走っただけのいわき市には普通の暮らしが広がっているということでした。
戻って来たいわき駅前の食堂で豚汁うどんを食べた私の周りには部活帰りなのか高校生達が大勢ラーメンやうどんを食べて楽しそうに語らっているのでした。

二千十四年十一月二日 久子

久子様

ワークショップの見学でしたか。お疲れ様でした。どんなワークショップだったのでしょうか?
チェルノブイリ事故当時のことを思い返すと、大きなパニックの去った後は何とはなしに無かったことにしてしまいたくなるのが人情であるとは思います。
心労がもたらす被害も少なくないことでしょう。
しかし、日本から流れてくるニュースを見ていると心配が膨らみます。
私の妹は子供たちの学校給食の問題点を改善してもらうためにいまだ心を砕いていますが、なかなか意見の相違が大きく難しいようです。
三年経っても放射能は消えるわけではなく拡散してゆくだけのことであり、それがどの様に何処に溜まってゆくのか予想もつかず、これから廃炉作業が始まると更に心配は増えて行く様に思います。
原発の廃炉、原発事故の汚染処理、原発の再稼動。どうか賢い判断がおこなわれますよう、祈ります。

二千十四年十一月二日 世津子



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# by artniwashi | 2014-11-02 07:01
2014年 10月 30日

十月三十日

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久子様、

この行儀の良さ、ご覧ください。

二千十四年十月三十日 世津子

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世津子様

本当に。
お行儀良く背比べをしているようですね。

お行儀については自信をもてないけれどこの子のあり方もなんだかこころ惹かれましたよ。

二千十四年十一月一日 久子


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# by artniwashi | 2014-10-30 18:34 | 往復書簡
2014年 10月 30日

十月三十日


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久子様

相変わらず一日中暗い空が頭上に乗っかっています。
昨日はkrefeldの画廊にプレスカンファレンスの為に出向きました。この建物は一階と二階が画廊になっています。保護がかかっている建造物なので内装は手を入れることが出来ても、外装は簡単には行きません。よく見るとその苦労がよくわかるのですが今日はそれについては割愛します。それぞれが自分の作品についての説明をしたり、質疑応答、写真撮影で一時間ほどかかりました。が、私は二時間も館内をウロウロしたり、椅子を温めていたりしていたのです。なぜかって? 私は集合時間を一時間間違えて出かけたのでした。もっとも、早めの一時間間違えでしたから問題はなく、一時間遅れるよりずっと良いね、と皆に言われつつ始まる前にすっかり草臥れていた私でした。

二千十四年十月三十日 世津子

世津子様

プレスカンファレンスお疲れさまでした。
とても重厚感のある建物ですね。 いかにもの石の文化、ヨーロッパを感じます。
早く到着し過ぎだなんて、ちょっと特別な一時間がプレゼントされたように、他人事だと気楽です、でも後の予定が仕事だったのだものね、それもお疲れさまでした。
ところで私は、いつどんな時でも約束の時間ギリギリになってしまいます。どんなに余裕を持って早起きしたり準備したりしてもです。どうしてなのでしょう。自分ではわかりません。もしも世津子さんその根拠に気付いていたら今度会ったら教えてください。
このお返事を書いている今も、いわき発東京行き高速バスの出発時刻が迫っています。

二千十四年 十一月一日 ひさこ

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# by artniwashi | 2014-10-30 18:29 | 往復書簡
2014年 10月 28日

2014年10月28日

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世津子様

砂浜にはさまざまなものが打ち上げられているもので、先日行った横須賀の海岸にはこんなものがありました。
想像をたくましくするといろいろなものがたりが生まれてしまいます。
どんなストーリーがあったにせよ、この錠剤が飲まれないままここにあるのはいいことだろうなと思いました。

二〇十四年十月二十八日    久子
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久子様

下方に視線を向けて歩いていると、色々な物がみつかります。
海岸や河岸は水が様々なものを運んでくる事ので、個人的にはさらに面白いとおもうのです。 海に行きたくなりました。
さて、近所の駅前にイタリアレストランがありますが、その店の脇に立つ街路樹の根元に靴を見つけました。
左右が逆に向いている。右に行きたいか左に行きたいか?
今日、私は右方向に進むことからから始めます。

二千十四年十月三十日 世津子


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# by artniwashi | 2014-10-28 23:33 | 往復書簡